原因のはっきりしないのどの違和感

  • なんとなく喉がつまるような感覚がある
  • のどに引っかかりを感じ飲み込みづらい
  • 飲み込んでものどの詰まりは変わらない
  • 疲れやストレスを感じるとのどの違和感が増す
  • なんとなく呼吸が浅く息苦しい

のどの違和感を引き起こす病気として、一般的には逆流性食道炎、かぜ、咽頭炎、喉頭炎、扁桃炎などがあ考えられます。

一方で、のどの詰まる感じ・違和感はあるにもかかわらず、病院の検査では異常がないと言われることがあります。

このような原因のはっきりしないのどの違和感を「咽喉頭異常感症(いんこうとういじょうかんしょう)」といいます。

のどの詰まる感じの原因はストレス

漢方では咽喉頭異常感症を、梅の種が喉にあるような感じがして、飲み込むことも、出すこともできないことに例えて「梅核気(ばいかくき)」あるいは「梅核球(ばいかくきゅう)」と呼んでいます。

同じ症状をあわらす用語として「咽中灸臠(いんちゅうしゃれん)」や「ヒステリー球」があります。

梅核気の原因は慢性的なストレスによる気の滞り(気滞:きたい)です。

気とは、気持ちの「気」であり、元気の「気」です。目には見えませんが、血や水分と同じように全身をめぐる生命エネルギーのことです。

ゆったりと気持ちが安定した状態では、「気」の流れもスムーズです。

緊張状態や不安感が続くと、すなわちストレスが続くと気の流れは悪くなります。

家庭や職場などの人間関係において、なかなか口に出して言えない、言い返せない場面というものはありますよね。グッと我慢した気持ちがのど元に詰まっている。これが違和感の正体です。

ストレス状態は「気の滞り」

慢性的にストレスがかかっている状態を、漢方の体質分析では「気のめぐりが悪い」と表現します。漢方の専門用語では「気滞(きたい)」と呼びます。

気のめぐりが悪くなると、のどのつまり感だけではなく、全身の血行不良や自律神経の乱れも引き起こされます。

◆気滞(きたい)の症状◆

  • 胸やみぞおち部分が張って苦しい
  • 胃やお腹が張る
  • げっぷやおならが多い
  • 寝つきが悪い、朝起きれない
  • 生理周期が不安定
  • 生理前に胸が張る

のどの詰まる感じや違和感に加えて上記のような症状がある場合は、ご自身で感じている以上に慢性的なストレスで心身に負担がかかっている状態と言えます。

のどの詰まる感じの原因である気滞(きたい)は、気のめぐりが悪い状態です。

のどの詰まる感じ・違和感を改善する漢方薬

気のめぐりを改善し、のどの詰まる感を改善する代表的な漢方薬として半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)が有名です。

◆半夏厚朴湯の効能効果◆

体力中等度をめやすとして、気分がふさいで、咽喉・食道部に異物感があり、ときに動悸、めまい、嘔気などを伴う次の諸症:不安神経症、神経性胃炎、つわり、せき、しわがれ声、のどのつかえ感

その他の漢方薬として、柴苓湯(さいれいとう)、香蘇散料(こうそさんりょう)、柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)、四逆散料(しぎゃくさんりょう)、加味逍遥散料(かみしょうようさんりょう)などがあります。

半夏厚朴湯は有名ではあるものの、必ずしも「のどの詰まり感=半夏厚朴湯」ではありません。

体質や全身の症状に合った漢方薬選びが大切です。

まずはお気軽にご相談ください。