月経前症候群PMSとは

月経(生理)の始まる3~10日くらい前からおこる様々な症状をまとめて月経前症候群(PMS)といいます。

精神神経症状として情緒不安定、イライラ、抑うつ、不安、眠気、集中力の低下、睡眠障害、自律神経症状としてのぼせ、食欲不振・過食、めまい、倦怠感、身体的症状として腹痛、頭痛、腰痛、むくみ、お腹の張り、乳房の張りなどがあります。

症状は人により様々ですが、月経が始まると自然に治まったり、軽くなったりするのが特徴です。

月経前症候群(PMS)の中でも、とくにイライラや気分の落ち込み、不安、怒りっぽくなるといった精神症状が主体で強い場合、「月経前不快気分障害(Premenstrual Dysphoric Disorder:PMDD)」と診断される場合もあります。

漢方では、月経前不快気分障害(PMDD)も月経前症候群(PMS)の一症状であるとして、とくに区別することなく同じように治療や体質改善をすすめていきます。

月経前症候群の原因

画像引用:https://www.kracie.co.jp/ph/coccoapo/magazine/21.html

女性ホルモンにはエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)があり、そのバランスは月経周期に合わせて大きく変動しています。

月経前症候群(PMS)の原因ははっきりしていませんが、女性ホルモンの変動により引き起こされるのではないかと考えられています。

月経前症候群(PMS)の漢方治療

気血水について

気血水

漢方医学では、人のからだは気(き)、血(けつ)、水(すい)の3つでできていると考えます。

気血水はお互いに関わり合い、支え合いながら心身の健康を維持しています。

気は生きる力、生命のエネルギー

気(き)は、気持ちの「気」であり、元気の「気」でもあります。

気が不足するとだるさ、眠気、食欲低下など、気の流れが悪くなると、イライラしやすい、落ち込みや不安を感じやすいなどの症状が現れます。

血は全身をめぐる栄養物質、思考の源

血(けつ)は、こころとからだへ栄養を届ける赤い液体です。

血が不足すると貧血傾向や皮膚の乾燥など、血のめぐりが悪いと肌荒れや便秘、頭痛などの症状が現れます。

水は全身を潤す、血液以外の液体

水(すい)はリンパ液や唾液、涙など、体内にあるさまざまな水分のことです。

水の流れが悪くなり滞ると軟便や下痢、むくみ、めまい、雨天時の頭痛などの症状が現れます。

月経前症候群(PMS)と気血水

気血水の3つのうち、女性ホルモンにもっとも関わりが深いのは血(けつ)です。

しかし、月経前症候群(PMS)は、必ずしも血だけのトラブルとは言い切れません。

ここでポイントとなるのが、もともとの「体質」です。

もともとの体質として、気のめぐりが悪い方の場合、月経前になると女性ホルモンの影響でより気のめぐりが滞りイライラしやすくなります。

あるいは、もともと水のめぐりが悪く足がむくみやすい体質の方の場合、月経前には水のめぐりがさらに悪くなり吐き気やめまいなどの症状が起こります。

つまりは、普段から気血水のめぐりがよくバランスの取れた体質であれば、月経周期にともなう女性ホルモンの影響をほとんど受けることなく、快適な日常をすごすことが出来るのです。

月経前症候群(PMS)を改善する漢方薬

月経前症候群(PMS)の治療では、一般的には、

  • 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
  • 加味逍遙散(かみしょうようさん)
  • 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
  • 桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
  • 温経湯(うんけいとう)

などが使用されます。

とくに当帰芍薬散、加味逍遙散、桂枝茯苓丸の3処方は婦人科三大処方とも呼ばれ、はるか昔から数えきれないほどの女性の健康を守ってきた処方です。当薬局でも女性の漢方相談では大変頼りにしている処方です。。

もしかしたら、この記事をお読みの貴女もすでに当帰芍薬散や加味逍遥散を服用したことがあるのではないでしょうか。

漢方薬が効かない理由

当薬局へ月経前症候群(PMS)のご相談に来られる方のうち、約半数の方はお医者さんで当帰芍薬散や加味逍遥散を処方された、あるいはドラッグストアで購入して服用したけれども不調が改善されなかった方です。

ではなぜ効かなかったのか?

そこには2つの理由があります。

1つ目の理由は、処方された漢方薬が月経前の不快な「症状」に合っていても、そもそもの「体質」には合っていなかったことが考えられます。

当薬局では必ずしも婦人科薬にこだわることなく、からだとこころの全体を広く見渡して体質改善にぴったりの漢方薬をご提案しております。

2つ目の理由は、漢方薬の「剤形(ざいけい)」にあります。

煎じ薬
エキス剤

漢方薬は生薬を煮出して服用する煎じ薬(せんじやく)が本来のスタイルです。一方、一般的に流通している顆粒タイプの漢方薬はエキス剤と呼ばれるものです。煎じ薬の力を1とした場合、エキス剤の力は0.6~0.4程度といわれています。

薬は強ければ良いというものでもありませんが、たとえやり方(処方)が正しくてもパワー(薬力)が足りなければ思うように体質は変化してくれないものです。

煎じ薬とエキス剤ついては下記のページもご覧ください。

お気軽にご相談ください。

月経前症候群(PMS)は漢方薬が得意とする不調の一つです。

改善のために必要なことは、症状ではなく体質に合った漢方薬を、効き目を最大限に活かせる煎じ薬で服用することです。

まずはお気軽にご相談ください。