青春のシンボルともいわれる思春期ニキビも、大人ニキビも、ともにやっかいなものには違いありません。

その後、自然に治ることもありますが、放置していると症状が長引き、クレーターのように凹んだニキビ痕の原因となってしまいます。

ニキビは正式には、尋常性挫創(じんじょうせいざそう)という炎症性の皮膚病です。

ニキビは、高校生くらいをピークに20歳くらいまでの間に、90%以上の人が経験します。

思春期の一時的なニキビであれば、自然に治る場合もあります。

一方で、思春期であっても症状が繰り返したり、成人後の大人ニキビの場合には、積極的な治療をおすすめします。とくに、下記の体質に当てはまるものがある場合は要注意です。

  • 生理の前後にニキビが出る、悪化する
  • 生理痛がある
  • 生理の周期が安定しない
  • ストレスを感じやすい
  • 肌が乾燥しがち
  • 色白で貧血ぎみ
  • 便秘もしくは下痢しやすい

このような体質であれば、一般的な皮膚症状だけをターゲットとした治療では、なかなか思うようにニキビが改善しないことが少なくありません。

ニキビができる3つの原因

  1. 毛穴の閉塞
  2. 皮脂の過剰な分泌
  3. 「アクネ菌」というニキビの元となる菌の繁殖

健康なお肌は約28日で、どんどん新しく生まれ変わっていきます。これを、「お肌のターンオーバー」といいます。

通常、皮脂は汗とともに毛穴から出ていきます。

しかし、お肌のターンオーバーが乱れ、毛穴の角質が厚くると、毛穴の出口がふさがれてしまい、皮脂を外へ排出することが出来なくなってしまいます。

すると、皮脂を栄養にするアクネ菌(ニキビの原因菌)が増殖してしまい、炎症を引き起こします。これがニキビの正体です。

つまり、西洋医学的な抗生物質や、いわゆる「ニキビ用せっけん」でアクネ菌を減らすことばかりを考えても、そもそもの原因であるお肌のターンオーバーの乱れや、過剰に分泌される皮脂を何とかしない限りは、ニキビは繰り返し出来てしまうのです。

漢方薬で体質改善し、ターンオーバーを正常化する

漢方には「皮膚は内臓の鏡」という言葉があります。

これは、睡眠不足や偏った食事、ストレス、ホルモンバランスの乱れなどにより、内臓に負担がかかり、その結果としてお肌にニキビなどの症状が現れるという考え方です。

漢方医学では、胃や大腸、肺などの内臓や皮膚をバラバラに考えるのではなく、お互いに関わり合っていると考えます。胃も大腸も肺も皮膚も、結局はすべて同じ一人の人間の中に存在しているので、これはごくごく自然な考え方です。

乱れた内臓のバランスや血流、水分代謝を整えるなど、内側から改善してニキビを治す。

一見遠回りにも見えるかもしれませんが、ニキビになりやすい体質を改善し、お肌のターンオーバーを正常化していくことこそが、実はもっとも効率のいい治療方法なのです。

ニキビを改善する漢方薬

ニキビと一言にいっても、一人ひとり症状も違えば、その原因となっている体質も違います。ここでは、一般的にニキビ治療によく用いられる漢方薬をご紹介します。

お気軽にご相談くださいね。

清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)

ニキビに一番多く使われる漢方薬です。比較的しっかりした体質の方で、顔面が紅潮し、または褐色となり、ニキビの色も赤みを帯びたものに用います。

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

顔色がよく、のぼせ気味で、下腹を押すと抵抗と圧痛がある方に用います。月経障害があって、ニキビが出るものであれば、より有効です。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

虚弱体質で、色白で貧血気味、冷え性の女性のニキビによく用います。ニキビの色は赤みが少なく、形も小さく、扁平のものに適しています。

十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)

化膿しやすいニキビに用います。ニキビのできる年齢は過ぎたのに、顔に吹き出物が出来て困るというものによく効きます。

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繰り返すニキビの治療では、漢方薬による体質改善とともに、可能な限り有害物質を避け、お肌のバリア機能を正常に戻していくことも大切です。

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