現代はまさにストレス社会です。学校や仕事での人間関係のストレス、育児や介護で何かと気をつかい、ついついイライラしてしまうことも多いでしょう。また、テレビやSNSは不穏なニュースであふれています。

ストレスがたまり、イライラした状態を「頭にくる」と表現することがあります。これは、我慢した気持ちが圧縮され、熱を生じ、その熱が上にあがってきて頭がオーバーヒートしている状態です。

また、とくにストレスに感じることはないという方でも、勉強や仕事で頭を使いすぎてパンクしそう、パソコンやスマホ使い過ぎで目が疲れる、目の奥が痛いという方は多いのではないでしょうか。これらも、ストレスか過剰に溜まった時と同じように、頭に熱がこもっている状態と考えられます。

頭にこもった熱を開放してクールダウンしてくれる生薬が羚羊角(れいようかく)です。

羚羊角は、中国の北部、モンゴル、中央アジアに生息しているウシ科のサイガカモシカの角です。

引用:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Saiga_tartarica.jpg
羚羊角(れいようかく)の効能

味 :鹹(かん)
性 :寒
帰経:肝・心
効能:清熱瀉火、解毒、平肝、止痙

古来より、大変貴重で高価な生薬であるとともに、他に変わりとなる生薬が存在しない貴い薬効を持つ「高貴薬」として珍重されてきました。

中国最古の薬物書と言われる『神農本草経(しんのうほんぞうきょう)』には、「目を明らかにし、気を益し、陰を起こし、悪血、注下を去り、蟲毒を去り、悪鬼、不詳を避け、心気を安じ、常に魘寐(えんび・悪夢)せず」と書かれています。

また、中国古来の薬物書の集大成ともされる『本草綱目(ほんぞうこうもく)』には、「肝を平らにし、筋を舒(の)べ、風を定め、魂を安じ、血を散じ、気を下し、悪を避け、毒を解し、子癇、痙疾を治す」と書かれています。

現代の言葉で解釈すると、

  • 眼精疲労の改善
  • 気持ちを落ち着けることで、無用なトラブルを避けられるようになる
  • 悪夢にうなされることなく安眠できる
  • ストレスによる血行不良を改善する
  • 筋肉のひきつりや痙攣を改善する

いずれにしましても、ストレスによる種々の不調を改善するはたらきがあると解釈できます。まさに、ストレス社会の現代人にこそ必要な生薬と言えるのではないでしょうか。

※羚羊角単体での販売はございません。羚羊角が配合された漢方製剤としての販売となります。