35歳、体外受精などで出産できたのは18%

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ART妊娠率・生産率・流産率 2015(日本産科婦人科学会 ARTデータブック2015年版より)

近年の医療の進歩により、これまで授からなかったケースでも高度生殖医療によって授かるケースは増えています。

しかし一方で、日本産婦人科学会のデータによると、ART(体外受精や顕微授精など高度な不妊治療)を受けても、実際に出産までいたる割合は、35歳で18.4%、45歳で0.9%です。

さらに流産率を見ると、35歳では20.1%、40歳では34.6%、45歳では63.2%と、年齢とともに流産率は上がります。年を重ねるほど、妊娠しにくく、流産の可能性が高まります。

なぜ最先端の医療でもこれほど低い出産率なのでしょうか?

妊娠・出産するために大切なこと

検査で異常なしといわれました

当薬局へ相談にいらっしゃる方のうち、多くの方は病院の検査で「異常なし」と言われています。

なぜ異常がないのに妊娠できないのか分からずに、不安な気持ちを抱えて相談にいらっしゃっています。

ここでポイントとなるのは、検査で異常がないということと、心身が妊娠と出産に適した状態とはイコールではないということです。

西洋医学と漢方医学の考え方の違い

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一般的な西洋医学の検査では、

  • 女性ホルモンの値
  • 子宮や卵巣、卵管の形状
  • 子宮内膜症などの病気の有無
  • 排卵の状態

など、子宮や卵巣を中心とした検査が行われます。

検査で子宮や卵巣、ホルモンの数値に異常(病気)が見つからなければ、正常な妊娠が出来るはず、というのが西洋医学における基本的な考え方です。

一方、漢方医学では子宮や卵巣だけにとらわれるのではなく、あくまで子宮や卵巣もからだの一部ととらえ、こころとからだの全体を大きく見渡すことで改善の糸口を見つけていきます。

漢方医学は不調のサインを見逃さない

冷え性や肩こり、だるさ、ストレス、軟便や便秘などは病気ではありません。

病気ではありませんが、こころとからだが妊娠と出産にとって理想的な健康状態ではないことを知らせてくれる重要なサインです。漢方医学では、このサインを見逃さずに、なぜ妊娠できないのか、どうしたら妊娠しやすくなるのかを考えていきます。

  • 冷え性は、妊娠に必要な血(けつ)が足りていない証拠です。
  • 肩こりは、からだ全体の血流の悪さに原因があり、子宮への血流も悪い状態を示しています。
  • だるさは、気(き)の不足で、妊娠や出産に必要なパワーが足りていない証拠です。
  • ストレスは、気持ちだけでなく体全体を固くし、子宮や卵巣も固く緊張してしまいます。

最先端の人工受精や体外受精を行ったとしても、なかなか思うような結果に結びつかない理由は、受け入れて育てていくための母体の準備が整っていないことにあります。

妊娠とは一見関係なさそうな手足の冷えや慢性的な疲労感、便秘、胃もたれしやすい、ストレスを感じやすいなどの体質を一つ一つていねいに改善していくことこそが、遠回りなようでじつは一番の近道になるのです。

年齢的にあせりを感じているあなたへ

妊活のポイントは「腎(じん)」

五臓

漢方医学には、五臓(ごぞう)という考え方があります。

これは一般的な内臓とは微妙に異なる、漢方医学での内臓のとらえかたです。

肝(かん):自律神経やストレス、月経周期にかかわる
心(しん):心臓や血流、精神面にかかわる
脾(ひ) :食べ物の消化吸収にかかわる
肺(はい):呼吸や皮膚、大腸の働きにかかわる
腎(じん):泌尿器や水分代謝、発育と生殖にかかわる

ここで注目すべきは、卵巣や子宮などの生殖器に関係する「腎(じん)」です。

腎(じん)は、「命の工場であり、貯蔵庫である」と考えられており、腎の活力が妊娠力に直結していると考えられています。

35歳からの妊娠は「補腎(ほじん)」が必須です

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腎は成長と出産にかかわり、生命力そのものとお考え下さい。

腎そのものが育つ、すなわち生命力が育つことで身長が伸び、14歳ごろに初潮を迎え、21歳ごろからより女性らしい体つきへと成長していきます。

腎は成長とともに増加していき、28歳でピークを迎え、その後はゆるやかに減少していきます。

西洋医学的に高齢出産と呼ばれる35歳以降で妊娠の確率が減少する理由は、年齢とともに妊娠・出産に大切な腎(じん)が減少しているからです。

妊娠と出産は、まさに命を分け与える行為です。

35歳以上の不妊治療では、冷えや血流を改善する体質改善だけでは足りません。

年齢とともに減少した腎(じん:生命力)を最大限に補う必要があります。

35歳からの子宝漢方

一般的な子宝漢方相談では、婦人科の不調の改善を主眼に置き当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、加味逍遙散(かみしょうようさん)、温経湯(うんけいとう)などの漢方薬が頻用されます。

明鏡堂の子宝漢方相談においては、

  1. 気血水のめぐりをととのえ、妊娠に適したからだづくり
  2. 腎を補い、生命力を高める

そのために、あえて婦人科の定番処方にこだわることなく、200種類以上ある漢方薬の中から最適な漢方薬をご提案いたします。

いっしょに頑張りましょう。

まずはお気軽にご相談ください。


Q
どれくらいの期間漢方薬を飲む必要がありますか?
A

一般的には半年から1年は漢方薬を服用していただく必要があります。

なかには2年以上あきらめずに漢方薬を飲み続けた結果、子宝に恵まれた方もおられます。

高齢だから1日でも早く、というお気持ちにお応えできるようベストな漢方薬のご提案をいたしますが、あせりや不安などのストレスも妊娠力低下の原因となります。

ご自身の健康と向き合い、ゆったりとした気持ちで子宝漢方に取り組んでみましょう。

Q
漢方薬の費用はどれくらいですか?
A

子宝漢方相談では、一般的な体質改善のご相談に比べて若干費用が異なります。

これは、元気になることを目指すだけではなく、確実に妊娠力を高めていくために、効き目の高い鹿茸(ロクジョウ)や、阿膠(アキョウ)、亀板(キバン)などの高価な生薬を使用する必要があるためです。

  • 35歳から39歳の方 1か月分 40000円から60000円
  • 40歳以上の方   1か月分 50000円から70000円

年齢や、体質により、お一人ごとに使用する漢方薬は異なりますので、目安としてお考え下さい。

Q
夫も漢方薬を飲んだほうがいいですか?
A

東洋医学では、男性の腎のエネルギーと女性の腎のエネルギーが合体して子どもが生まれると考えています。

一般的に妊活や不妊治療では、女性側の問題ばかりに目が行きがちですが、下記のような状況があればご夫婦での漢方薬の服用をお勧めしています。

  • 病院で男性不妊と診断されている。
  • 正常な精子の数や、運動量が低下していると診断されている。
  • 性欲が低下している。性交回数が減った。
  • 勃起力の低下や、精液量の減少。
  • 年齢が40歳以上。
  • 仕事が忙しく、慢性的に疲れている。
  • 仕事や妊活にストレスを感じている。