2人に1人はストレスを感じている

当薬局へは 月経痛や月経不順、冷え性、喘息、不眠、うつなど様々なお悩みを抱えた方がご相談にいらっしゃいますが、問診票を記入して頂くと・・・

  • やる気が出ない
  • 憂うつ
  • 自分はダメな人間と思う
  • 生きるのがつらい
  • 不安感
  • あせる
  • すぐ怒る
  • イライラする
  • 感情の起伏が激しい
  • 驚きやすい
  • 音に敏感
  • 職場が悪い
  • 他人に誤解されている

上記のうち2つ以上にチェックが入る方が全体の約9割もいます。実に多くの方が慢性的にストレスを抱えているのが現状です。

厚生労働省の平成30年調査によると、

「現在の仕事や職業生活に関することで強い不安、悩み、ストレスになっていると感じる事柄がある労働者」の割合は58.0%

とういう結果が出ており、少なくとも2人に1人以上の方が慢性的にストレスを感じているのが現状です。

ストレスに強い人と弱い人

ストレスは完全には無くせない

漢方相談の中で患者さんからよく言われるのが、

「でも先生、ストレスを無くすなんて無理じゃないですか?!」

「ストレスを感じなくなる方法なんてあるんですか??」

試しにグーグルで「ストレス なくす」と検索してみると約 7,530,000 件もヒットしました。

好きな音楽を聴いたりスポーツをしたり、ヨガや瞑想で心を落ち着けてみたり、あるいはメンタルトレーニングを受けてみたりと実にたくさんの方法がおすすめされています。

ですが・・・

そもそもストレスとは、外部から刺激を受けたときに生じる緊張状態のことです。

外部からの刺激には、人間関係や仕事のプレッシャーだけでなく、天候や騒音、睡眠不足や風邪などの病気も含まれます。あるいは、 進学や就職、結婚、出産といった喜ばしい出来事も変化=刺激ですから、実はストレスの原因になります。

日常の中で起こる様々な出来事(=刺激)がストレスの原因となるため、よほど特別な修業を積んだ方でもない限り、ストレスを完全に消すことは無理です。

ストレス耐性の差は柔軟性の差

同じ職場でも、あるいは同じような家庭環境の方でも、ストレスを強く感じる人とストレスをあまり感じない人がいるのはなぜでしょうか?

その違いは、こころと体の「柔軟性」の違いです。

例えばコンクリートでできた「電柱」を思い浮かべてください。

一見、頑丈でちょっとやそっとでは壊れることがないように見えますよね。

ところが台風のような強い風(=強い刺激)があると、いとも簡単に折れてしまいますね。その固さゆえに風を受け流すことが出来ずに、まともに衝撃を受けとめてしまうからです。

一方で「竹」はどうでしょうか?

竹は強い風が吹いても柔軟にしなり、風を受け流します。よほど強い風(=刺激)が来てもそう簡単に折れることはありませんよね。

ストレスに強い人と弱い人がいるのもこれと同じです。

ストレスに強い人はこころと体が柔軟で刺激を上手に受け流せるのに対して、ストレスに弱い人はこころと体がまるで電柱のように固くなり、もろに衝撃を受けてしまう状態になっているのです。

こころと体を柔らかくする薬

向精神薬は根本的解決にならない

一昔前に比べてストレスや不安感でメンタルクリニックを受診する敷居はだいぶ下がってきたようです。

一般的にストレスや不安感にはデパス®(エチゾラム)やワイパックス®(ロラゼパム)、パキシル®(パロキセチン)などの薬が処方されます。

たしかに向精神薬は症状を「抑える」という働きは得意です。

しかし、症状を一時的に抑えられてもストレスの原因となっている職場環境や人間関係が改善されるわけではありませんし、ストレスを感じやすいという「体質」が変わるわけでもありません。

さらに、向精神薬には依存症の問題もあります。服用を続けるうちに段々と薬の量や種類が増えていき、いつしか薬なしではいられない状態に陥ってしまうことが多くあります。

薬剤師として向精神薬のすべてを否定することはできませんが、それでもやはり、向精神薬に対しては否定的な意見を述べざるを得ません。

漢方薬でストレス体質を改善する

先ほどお話したように、ストレスに強いか弱いかの差は、こころと体に柔軟性があるか無いかの違いです。

当薬局のメンタル治療の基本は「気の流れを整える」ことにあります。

気とは、元気ややる気、勇気の源であり、気持ちの「気」そのものです。

緊張や不安感で固くなってしまった気をほぐし、外部からの刺激(=ストレス)を上手に受け流せる柔軟性を取り戻す。こころと体を竹のように柔らかくすることこそがうつや不安感の根本的解決であり、ストレスに弱いという「体質」から改善する方法です。

自分にぴったりの漢方薬で改善しよう

一言に「うつ、不安感」と言っても、やはり一人ひとり症状や体質は異なります。

男性と女性では当然違いますし、17歳の高校生と70歳の方とでも当然、体質は異なります。中には下痢をしている方もいれば、便秘の方もいます。あるいは生理痛や冷え性が気になっている方もおられるでしょう。

漢方薬でストレスに弱い体質を改善するには、自分にぴったりの漢方薬を服用することが一番のポイントです。

おすすめの漢方薬

1.ストレスでお腹が痛くなる方

桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)がおすすめです。

出勤前や会議の前になるとお腹が張って痛む方におすすめの漢方薬です。

比較的マイルドなお薬で、お子様からご年配の方まで幅広く使えます。ストレス性であれば、下痢しやすい方、便秘しやすい方、あるいは下痢と便秘を交互に繰り返す方、どのタイプの方でもご使用になれます。

2.心身が疲れ切って眠れない方

加味帰脾湯(かみきひとう)がおすすめです。

元気を回復する 人参(高麗人参)や黄耆(おうぎ)、緊張感を緩和する芍薬(しゃくやく)や柴胡(さいこ)、精神を安定させ自然な睡眠を取り戻す酸棗仁(さんそうにん)や龍眼肉(りゅうがんにく)などが配合された漢方薬です。

3.のどが詰まる感じがする方

半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)がおすすめです。

のどが詰まる感じがする、カゼでもないのに咳払いが多い、そのような症状を梅核球(ばいかくきゅう)といいます。これはグッと我慢した「気」が行き場を失い、のどにたまっている状態です。半夏厚朴湯で気の流れを整えましょう。

4.冷え性でイライラしやすい

加味逍遙散料(かみしょうようさんりょう)がおすすめです。

イライラしやすい、あるいはイライラと落ち込みを交互に繰り返す方向けの漢方薬です。気のめぐりだけでなく、血のめぐりも改善する働きがあり、冷え性や生理周期の乱れ、生理痛がある方には特におすすめです。

お気軽にご相談ください

上でご紹介したのは漢方薬のほんの一部です。当薬局では、60分かけてじっくりとお話を伺い、体質にぴったりの漢方薬をご提案する「漢方相談」を行っております。

まずはお話だけでも構いません。

お気軽にご相談くださいね。