先生、最近失うことばかりで心が疲れてしまいました・・・
それは辛かったですね。
どんなことがありましたか?
職場の異動や生活環境の変化で、親しい人たちとの別れが続きました。悲しいことばかりで、楽しいことが全然ない気がします・・・
大変でしたね。
でも大丈夫ですよ。心配ありません。
今日は喜びと悲しみの感情の「感じ方」についてお話ししましょう。
感情を表すプロスペクト理論
心理学に「プロスペクト理論」という考え方があります。それによると、「喜び」と「悲しみ」の感じ方は次のグラフのようになります。
進学や就職、昇給、素敵な方との出会いなどの良い出来事は「喜び」の感情になります。
一方で、親しい方との別れや、離婚、病気で休職などは「悲しみ」の感情を引き起こします。
良いこと悪いことは表裏一体
東洋医学には陰陽(いんよう)という考え方があります。活動的なものを「陽」、静的なものを「陰」として捉える考え方です。
たとえば、
- 太陽は陽、月は陰
- 夏は陽、冬は陰
- 熱は陽、寒は陰
- 動物は陽、植物は陰
- 天は陽、土は陰
- 男は陽、女は陰
自然界をよく観察してみると、あらゆる物事に陰と陽があり、どちらか一方だけで存在することはなく、お互いにバランスを取りながら存在しています。
つまり、良い出来事を「陽」、悪い出来事を「陰」として考え、自然界の陰陽のバランスは保たれているということを知れば、悪い出来事ばかり起こるということはなく、必ず同じだけの良い出来事も起きているということに気づいて頂けるのではないでしょうか。
ここでもう一度、先ほどのプロスペクト理論のグラフを見てみましょう。
このグラフの注目すべき点は、「左右非対称」であるという点です。
左右に等間隔、つまり、同じだけの良い出来事と悪い出来事が起きた時、人は悲しみの感情を強く感じてしまうのです。これは危険から身を守るための一種の防衛反応とも言えるでしょう。
「最近悪い出来事ばかり続いている・・・」
「楽しいことなんて全然ない・・・」
そのように感じているあなたも、人間の特性として「悲しみ」を強く感じてしまっているだけで、実は同じだけ楽しい出来事は起きているのです。
さらに言えば、
うつ病で休職という悪い出来事も、見方を変えれば、自分自身の健康を見直すチャンスですし、自分の人生について深く考える絶好のタイミングでもあります。
転勤で親しい同僚との別れがあったとしても、それは同時に新しい人との出会いのスタートであり、人生が次のステージへ進めたという証です。
物事には二面性があり、悪い出来事ばかり起こることはあり得ないということ、人の特性として悲しみを強く感じてしまいがちなことを、ぜひ覚えておいていただければと思います。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
それでもやっぱり苦しいという方は、お気軽にご相談くださいね。