理想の生理周期は「28日」
月経痛や月経不順、PMS(月経前症候群)などの生理にかかわる女性の悩み。
生理は女性ホルモンと呼ばれる卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の働きによりおこる自然な現象です。
生理開始日を0日目とし、次の生理が始まるまでを1サイクルと考えます。
一般的に正常な生理周期は約4週間(28日~30日)です。
医学的には25〜38日であれば正常の範囲内とされ、39日以上は稀発月経(きはつげっけい)と呼ばれ、卵巣の働きの低下や、ホルモンバランスの乱れている可能性があります。
32日以上は血が足りない
生理周期が32日~38日であれば、西洋医学的には「問題なし」とされてしまいます。
たしかに「病気」ではありません。
しかしながら、理想の生理周期である28日よりも遅れるということは何かしらの「不調」のサインです。
漢方では生理周期32日以上は「血虚(けっきょ)」という血が足りない体質と考えます。
※血虚は西洋医学的な貧血とは異なります。
一番シンプルに言えば、生理は血が「たまる」→「出す」→「たまる」→「出す」の繰り返しです。
血が十分にあれば、卵胞期→排卵期→黄体期と順調に血がたまっていきます。
一方で血が足りないと、なかなか血をためていくことが出来ません。
血が足りないせいで、通常よりも血がたまるのに時間がかかる。これが生理周期が長くなる原因です。
血(けつ)は栄養を届ける液体
漢方医学では、人のからだは、気(き:生命のエネルギー)、血(けつ:栄養の運搬)、水(すい:全身を潤す)の三つの要素で出来ていると考えます。
一般的な血(ち)は、主に酸素を運ぶ働きが注目されます。一方、漢方の血(けつ)は体のすみずみまで栄養を届ける液体と考えます。
血(けつ)がたっぷりと充実していると、からだはポカポカと温かく活力があり、お肌や髪は潤いつやつやになります。
実は、生理周期が32日以上と長いこと自体は大きな問題ではありません。
その裏に隠れている血が足りない体質、すなわち血虚(けっきょ)体質こそが健康上の大きな問題なのです。
□ 皮膚が乾燥してつやがない
□ 肌のかゆみ
□ 視力低下、目の疲れ、ドライアイ
□ 頭痛や肩こり
□ めまい、ふらつき
□ だるさや疲れやすさ
□ 更年期障害
□ 不妊症、くりかえす流産
□ こむらがえり(足がつる)
□ 爪が割れやすくなる
□ 眠れない、夢が多いなど睡眠のトラブル
□ 手足のしびれ
□ 冷え性
たとえ今、不調がないとしても、生理周期が32日以上と長いのは、これらの症状が起こる重要なサインです。
漢方薬でしっかりと不足した血(けつ)を補い、体質を改善していきましょう。
血虚(けっきょ)体質を改善する漢方薬
不足した血(けつ)を補うためには、補血薬(ほけつやく)と呼ばれる当帰(とうき)、芍薬(しゃくやく)、地黄(じおう)、阿膠(あきょう)などの生薬が配合された漢方薬を用います。
代表的な漢方薬をご紹介しましょう。
当帰芍薬散料(とうきしゃくやくさんりょう)
不足している血を補うと同時に、水のめぐりを整える働きがあります。
❖効能・効果❖
体力虚弱で、冷え症で貧血の傾向があり疲労しやすく、ときに下腹部痛、頭重、めまい、肩こり、耳鳴り、動悸などを訴えるものの次の諸症:月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、産前産後あるいは流産による障害(貧血、疲労倦怠、めまい、むくみ)、めまい・立ちくらみ、頭重、肩こり、腰痛、足腰の冷え症、しもやけ、むくみ、しみ、耳鳴り
帰脾湯(きひとう)
胃腸が弱く、不眠症がある方におすすめの漢方薬です。
❖効能・効果❖
体力中等度以下で、心身が疲れ、血色が悪いものの次の諸症:貧血、不眠症、神経症、精神不安
十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)
不足した血(けつ)と同時に、元気を補う力に優れる漢方薬です。
❖効能・効果❖
体力虚弱なものの次の諸症:病後・術後の体力低下、疲労倦怠、食欲不振、ねあせ、手足の冷え、貧血
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