イライラは体質からの改善が必要です

イライラせずに毎日を穏やかな気持ちで過ごしたいものです。

一言にイライラしやすいと言っても、その様子は一人ひとり違うものです。

  • はっきりとした理由があってイライラしている。
  • 特に理由がないのに、なんとなくイライラしている。
  • 普段は平気なのに、ちょっとしたきっかけでイライラしてしまう。
  • イライラの背景に不安感がある。
  • 月経前にイライラする。
  • 便秘が続くとイライラしてくる。

イライラはご本人だけでなく、その周囲の方にまで影響を与えてしまいます。

また、イライラしてつい言いすぎてしまったことで自己嫌悪におちいることもあるかもしれません。

インターネット上ではイライラの感情をコントロールする方法として、腹式呼吸や瞑想、軽い運動や睡眠環境の改善などが紹介されています。

それらの一般的な方法でも改善しない場合は、漢方薬による体質からの改善が必要な状態です。

イライラ体質を改善する漢方薬

イライラ体質の3つの原因

漢方医学では、精神と肉体を別々に考えるのではなく、密接に関わりのある一つのものと考えます。

身体の不調が「イライラ」という精神的な不調を引き起こしていると考えます。

また、逆の見方をすればイライラという精神状態は、ご自身でも気づいていない身体の不調のサインでもあるのです。

イライラの原因となる身体の不調
  1. 気(き)のめぐりが悪い
  2. 血(けつ)が不足している
  3. 便秘

1.気のめぐりを整えイライラを改善する漢方薬

気(き)は気持ちの「気」です。

気のめぐりが悪く、気持ちが固くなった状態を「気滞(きたい)」といいます。

気持ちが固くなっていることで、些細な出来事も受け流すことが出来なくなり、イライラ状態になってしまいます。

気のめぐりを整え、イライラを改善する代表的な漢方薬には、抑肝散料加芍薬黄連(よくかんさんりょうかしゃくやくおうれん)、柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)があります。

イライラが強く、自分でもコントロールできない場合は抑肝散料加芍薬黄連、イライラの背景に強い不安感がある場合には柴胡加竜骨牡蛎湯をおすすめします。

◆抑肝散料加芍薬黄連の効能効果◆

体力中等度以上をめやすとして、神経のたかぶりが強く、怒りやすい、イライラなどがあるものの次の諸症:神経症、不眠症、小児夜泣き、小児疳症(神経過敏)、歯ぎしり、更年期障害、血の道症
<効能・効果に関連する注意>
血の道症とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状のことです。

◆柴胡加竜骨牡蛎湯の効能効果◆

体力中等度以上で、精神不安があって、動悸、不眠、便秘などを伴う次の諸症:高血圧の随伴症状(動悸、不安、不眠)、神経症、更年期障害、小児夜泣き、便秘

2.不足した血を補いイライラを改善する漢方薬

血(けつ)は、血液のことです。漢方医学では、血がこころ(精神)に栄養を届けると考えます。

血が十分にあり、こころが潤うことで精神が安定します。

逆に、血が不足しこころが栄養不足の状態になると、何となくソワソワと落ち着かず、些細なことで怒りやすくなったり、あるいは急に悲しい気持ちになったりと精神状態が不安定になります。

血の不足によるイライラは男性よりも女性に多く見られます。特に月経前にイライラする方や、産後にイライラが増した方は血の不足が強く疑われます。

血を補いイライラを改善する代表的な漢方薬として、加味逍遥散料(かみしょうようさんりょう)、抑肝散料加陳皮半夏(よくかんさんりょうかちんぴはんげ)などがあります。

また、産後のイライラには芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)が頻用されます。

◆加味逍遥散料の効能効果◆

体力中等度以下で、のぼせ感があり、肩がこり、疲れやすく、精神不安やいらだちなどの精神神経症状、ときに便秘の傾向のあるものの次の諸症:冷え症、虚弱体質、月経不順、月経困難、更年期障害、血の道症、不眠症
<効能・効果に関連する注意>
血の道症とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期などの女性ホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状のことです。

◆抑肝散料加陳皮半夏の効能効果◆

体力中等度をめやすとして、やや消化器が弱く、神経がたかぶり、怒りやすい、イライラなどがあるものの次の諸症:神経症、不眠症、小児夜泣き、小児疳症(神経過敏)、更年期障害、血の道症、歯ぎしり
<効能・効果に関連する注意>
血の道症とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期などの女性ホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状のことです。

◆芎帰調血飲第一加減の効能効果◆

体力中等度以下のものの次の諸症。ただし産後の場合は体力に関わらず使用できる。:血の道症、月経不順、産後の体力低下
<効能・効果に関連する注意>
血の道症とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状のことです。

3.便秘を解消しイライラを改善する漢方薬

便秘が続くとイライラしやすくなった経験がある方も少なくないのではないでしょうか。

便秘により悪玉菌の増加による腸内環境の乱れや、自律神経の乱れが起こります。また、単純に便が出ないということ自体もストレスとなり、イライラの原因となります。

漢方薬の便通改善薬には、便を出す働きだけではなく、血流改善作用や冷え性を改善する生薬も配合されているのが特徴です。

便秘を解消しイライラを改善する代表的な漢方薬として、桃核承気湯(とうかくじょうきとう)、桂枝加芍薬大黄湯(けいしかしゃくやくだいおうとう)などがあります。

◆桃核承気湯の効能効果◆

体力中等度以上で、のぼせて便秘しがちなものの次の諸症:月経不順、月経困難症、月経痛、月経時や産後の精神不安、腰痛、便秘、高血圧の随伴症状(頭痛、めまい、肩こり)、痔疾、打撲症

◆桂枝加芍薬大黄湯の効能効果◆

体力中等度以下で、腹部膨満感、腹痛があり、便秘するものの次の諸症:便秘、しぶり腹
<効能・効果に関連する注意>
しぶり腹とは、残便感があり、くり返し腹痛を伴う便意を催すもののことです。

おわりに

イライラした状態というのは精神的にも肉体的にもしんどいものです。また、ご家族など周囲の方にとってもよい状態とは言えません。

イライラというのは必ずしも性格的な問題だけではなく、その大半は気血の乱れによる身体的な原因です。

まずはお気軽にご相談ください。