- 寒いわけでもないのに手足が冷たい。
- 布団に入っても手足が冷えて眠れない。
- お風呂に入ってもすぐに手足が冷えてしまう。・厚着をしても体が冷える。
- 便秘や下痢になりやすい。
- 何をしても痩せない。
女性の7割が冷え性
寒い季節に多くの女性を悩ませる冷え性。テレビや雑誌でも冷え性の特集があり、いろいろな改善方法にチャレンジしたという方も多いのではないでしょうか?
女性のなんと7割もの方が冷え性に悩まされていると言われ、気温の下がる秋から冬に当薬局へ寄せられる相談でも、もっとも多いのが女性の冷え性です。
ただ温めればいいというわけではない
一言に「冷え性」といっても、冷え方は十人十色。それぞれに違います。手先や足先が冷える方もいれば、おなかが冷えて下痢をするという方もいます。
さらにその原因も、過度なダイエットが原因の方もいれば、ストレスが原因の方、冷たい飲み物やアイスの食べ過ぎが原因の方など、それぞれに異なります。
世間で人気のある方法で「ただ温めればいい」ということではありません。温め方がご自身に合っていないと効果がないばかりか、場合によっては逆効果になることだってあります。
ぜひ、ご自身の「冷え性のタイプ」からぴったりの方法で、寒い季節でも冷え性に悩むことなく楽しんでください。
【タイプ別】冷え性の原因と対策
1.手足は冷えるけど、おなかは冷えない
手先や足先だけが冷えるタイプを「四肢末端型冷え性」といいます。10代20代の若い女性で華奢な方に多くみられます。冷えだけでなく、しもやけや月経痛、にきびができやすいという方も多くいます。
四肢末端型冷え性の原因
血行が悪く、温かい血液が手先や足先まで届いていないことが原因です。疲れやストレス、無理なダイエットが血行不良を引き起こします。
四肢末端型冷え性の改善ポイント
- 血行を良くするためウォーキングや筋トレをする。
- 足湯や手浴で温める。
- 規則正しい生活リズムを心がける。
- プルーン、ナツメ、クコの実などのドライフルーツ、黒豆、黒ゴマ、ひじきなどの黒い食材がおすすめ 。
四肢末端型冷え性の漢方薬
- 血色が悪く、末端だけ冷えるという方は「当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)」
- 色白で華奢な女性「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」
2.おなかは冷えるけど、手足は冷えない
隠れ冷え性とも呼ばれるこのタイプは「内蔵型冷え性」といいます。その名の通り内臓が冷えているタイプで、30代以降の女性に多くみられます。厚着をしてもからだの芯からゾクゾクとしたり、冷えることでお腹が痛くなったりします。場合によっては、からだの中は冷えているにも関わらず、冬でも汗をかくという方もいます。
内蔵型冷え性の原因
- 腹部の病気や手術で血行が悪い。
- 冷たい飲み物や甘いものをとりすぎている。
- ホルモンバランスの乱れから、血行が悪い。
- ストレスで自律神経が乱れている。
内蔵型冷え性の改善ポイント
- 冷たい飲食物は避ける。
- 温かくて消化の良いものを食べる。
- ストレスをためないように、適度にリラックスする。
- 規則正しい生活をし、夜更かしをしない。
- ショウガやネギなど胃腸を温める食材を選ぶ。
内蔵型冷え性の漢方薬
- 疲れやすく、下痢しやすい方は「六君子湯(りっくんしとう)」
- ストレスが多く、口が苦い方は「柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)」
3.下半身は冷えるのに、上半身はのぼせる
足先は冷たいのに、手は温かいというタイプです。このタイプを「上熱下寒(じょうねつげかん)」といいます。寒いのに首から上は汗ばむ方や、イライラしやすくて太ももから下が冷えるという方もこのタイプです。
デスクワーク中心で、一日中同じ姿勢になりがちな方に多くみられます。上半身は温かいので、自分が冷え性だということに気づかない方も多く、注意が必要です。
上熱下寒型冷え性の原因
長時間の座り姿勢により下半身が圧迫され、全身に血が巡りにくくなることで起こります。下半身には血がめぐりにくいのに、上半身だけはスムーズにめぐるというアンバランスが下半身は冷えるのに、上半身はほてるというアンバランスな状態を起こしてしまいます。
上熱下寒型冷え性の改善ポイント
- 半身浴や足湯で下半身を温める。
- ウォーキングやスクワットなどで下半身を意識して動かす。
- 血流を良くするため、ゆったりとした服装をする。
- ほてりやのどの渇きを感じても、冷たいものを取りすぎない。
- 血行を改善する青魚、野菜、酢などがおすすめ。
上熱下寒型冷え性の漢方薬
- 生理痛があり、のぼせやすい方は「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」
- 冷え性でイライラしがちな方は「加味逍遙散(かみしょうようさん)」
4.全身が冷える
厚着をしても寒くてしかたがない、からだの芯から冷え切ってしまう、いつも体温が低いという方は、新陳代謝が低く、からだを温めるエネルギーが不足している状態です。
新陳代謝が低いため、冷えだけでなく、だるさを感じる、疲れが抜けにくい、いつも軟便気味という症状も現れやすくなります。
全身型冷え性の原因
加齢により新陳代謝が低下することで全身の冷えを感じるようになります。また、若い方でも生活リズムの乱れや、過度なダイエットによる食事量の不足により新陳代謝が低下してしまうケースが増えてきています
全身型冷え性の改善ポイント
- 睡眠を十分にとる。
- ウォーキングなど軽めの運動で代謝力を上げる。
- 外気で冷えないように腹巻やレッグウォーマーを活用する。
- 温かくて消化の良い食事をこころがける。
- ショウガやネギなどからだを温める食材を選ぶ。
全身型冷え性の漢方薬
- 全身が冷えきって、むくみや下痢のある方は「真武湯(しんぶとう)」
- 食欲がなく、エネルギー不足の方は「六君子湯(りっくんしとう)」
- 過労で疲れ切って冷えを感じる方は「十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)」