- 長い時間歩けない。
- しばらく歩くと下肢に痛みやしびれが出てくる。少し休むと和らぎ、また歩ける。
- 立っていると下肢に痛みやしびれを感じる。
- 前かがみになったり座ったりするとらくになる。
- 後ろへ反る体勢がつらい。
脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)とは
「脊柱管」とは、背骨の中にある神経の通り道のことです。
脊柱管狭窄とは、加齢や仕事による負担、腰の病気などにより、背骨が変形することで脊柱管が狭くなる病気のことを言います。
神経が圧迫され、神経の血流が悪くなることで痛みやしびれといった症状が現れます。
50歳代から徐々に増え始め、60~70歳代に多くみられます。高齢者の10人に1人は腰部脊柱管狭窄症であり、推定患者数は約580万人といわれています。
流れが悪いと痛みが出る
漢方には古くから「不通則痛(通ぜざれば則ち痛む)」という考え方があります。
簡単に言えば、流れが悪いと痛みが出るという意味です。
西洋医学的には、脊柱管が狭窄し神経が圧迫されると、血流障害が最初に起こり、次に神経浮腫(水の滞り)が生じ、それが遷延すると神経の線維化をきたすと考えられています。
つまり、脊柱管狭窄症による下肢の痛みやしびれを改善するためには、「血」と「水」の流れを整えればよいということです。
また、漢方薬は脊柱管が狭くなった部位のみにピンポイントで働きかけるのではなく、その周囲の筋肉や組織にも働きかけます。そのため、周辺の組織が活性化し強化されることで、損傷部位をサポートする天然のコルセットとしての働きも期待できるようになります。
疎経活血湯(そけいかっけつとう)
「疎経活血湯」は、血液や水分の通り道の流れをよくし、血液循環や水分代謝を活発にするという意味をもつ名前の漢方薬です。
疎経活血湯は17種類もの生薬が配合されており、
- 血の滞りを改善する生薬
- 水のめぐりを改善する生薬
- 不足した血や気(き:エネルギー)を補う生薬
- 直接的に痛みを和らげる生薬
これらの生薬の配合により、急性の痛みから慢性の痛みまで幅広く使用することができます。
筆者の拙い経験の中ではありますが、疎経活血湯をお出しした患者様から「ずいぶんと楽になったよ!」「散歩が出来るようになったわ♪」「また台所に立てるようになりました♪」などの嬉しいお声を頂いております。
少しでも多くの方に、歩く楽しみを取り戻して頂ければ幸いです。